Secret 年代記

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遠果の章


<第189代国王 ガイ

Y.image(心象)

 死んだ後の世界を思い描く。
 どんな宗教の教えとも違う、私だけの世界だ。
 本当にそんなところへ行けるのなら、今すぐにでも死のう。
 ここはとても息苦しい。
 何もない場所で、その場所のひとかけらになり、全てになり。
 そんな世界があるのなら、人の生きている意味なんてまるでない。
 私の焦がれる、その場所へ。
 そんな場所はないと、刻の支配者よ、お前は言ったな。
 それが嘘でないと信じている。
 姿すら知らないお前の言葉を信じるなど、愚かだろうが……。

 けれど私をお前が見つめるとしたら、この私の全てを受け入れてくれそうな気がする。
 まるでお前は神のようで、きっと直視することさえできない。
 ばかばかしい私の妄想。
 あながち間違いでもないのだろう?
 お前はこの国をはるか昔から静観してきたというのだから。
 それが人であるはずがないよ。
 人でないお前の言うことは、同じのようでいて決して人と同じ感覚ではない。
 けれど私達の感覚に合わせて、お前は私に語りかける。
 私は、知っているよ。
 お前は私が王だと言いながら、決して私に当たり前の王を求めない。
 ねえ刻の支配者……お前が私を王だというのは、刻の王だからだろう?
 私を崔繍の王だとは、一度も言わなかったね。

 お前の求めた王と国の望んだ王は、違う。


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