Blue Blood 胡蝶の夢 十三話

Blue Blood 胡蝶の夢

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十三話



 これは痛み。
 消えることは永遠に叶わない、かすかなうずき。
 その笑顔も、声も、仕種さえも……。
 思い出さずにはいられない。
 重なる銃声も、むせ返るような白煙も、彼女を消し去ってはくれなかった。
 一瞬、彼女を忘れていられると思う。
 次の瞬間、どうしようもなく罪悪感が湧き上がり、オレの心をさいなみ続けている。
 忘れることなど許されない。
 確かめたものはただ一つ。
 大きすぎる代償と引き換えに……

 貴女なしではいられない。

 空虚な日々。
 渇いた喉。
 甘い幸せは戻ることなく、淡く儚く、遠いようで、近いようで────。
 轟音が奪う命の存在を希薄にし、死にまみれた両手は決して血に汚れない。
 だから、己の流す緋色に息を呑んだ。
 一体どれ程の命を、消してきたのだろうか……。


 それは痛み。
 灼熱に溶ける鉄の如く、とろりと流れて焼き尽くす。



Fyirio Zolba

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